詩集「セカンドムーヴメント」

緋熊熊五郎の詩作ペンネーム、緋熊加微由の詩集

バラ

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「バラ」

レースのカーテンを透かして

窓から差し込む満月の光

部屋中を飛び跳ねて

ぼんやりと黄色く浮かびあがらせて

びいどろ細工の小さな花びんに

ひっそりと咲いている純白のとげバラ

切り傷ばかりの木製の机に

何気ないアンティーク

手巻きぜんまいギシギシ言わせて

夜に溶けていくオルゴールの音色

たくさんの音が重なり響いて

少し瞳を伏せて頬杖をついて

ぼんやりと君は深い想いにふける

時の流れだけ闇の中に沈んで

私は白バラ何もできなくて

涙のかわりに大事な花びら

そっとこぼしました

(opus001)

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写真は、 手持ち素材がなかったので、ネットのフリー素材パクタソさんから、白薔薇です!