詩集「セカンドムーヴメント」

緋熊熊五郎の詩作ペンネーム、緋熊加微由の詩集

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

彷徨

「彷徨」君は誰なの今どこに居るの遥か地の果て時の彼方から何故僕を呼び求めるの僕の心をかき乱すのいつどこに行ったら出会えるの月に問い惑星(ほし)に聞いても未来はすっかり霧に包まれて何も見えない何も分からない神秘の君と交差する新しい軌道を探し求…

あの夏の日

「あの夏の日」君と出会ったあの夏の日青い空の下、爽やかな風が吹いた見上げたら青いシェルに包まれた君稲妻が全身を、魂を打つ笑顔がとても眩しくて思わずつられて笑ってしまった世界にはたくさんの男女(ひと)がいるのになぜ僕を君は引き寄せたの夢なら二…

朝日

「朝日」朝日が昇り光が闇を切り裂き暗く沈んだ大地を再び甦らせる熱は覆っていた凍てついた雪を溶かし草木の緑を露わにする明日は誰の上にも来るが僕のためにももちろん君のためにも来る新しく再生された世界で幸せ、喜びを増産するために全ての物が光に包…

光球

「光球」その白い天使は翼を大きく拡げて夜の空を羽ばたき闇に包まれた都市を見下ろしていた生きとし生けるものが何千年もかけて積み重ねた汗や垢、涙などをすべて呑み込んだ静まり返った暗黒の都市を今は動くものとて何一つなく廃墟と化した瓦礫の山そのと…

愉快な朝

「愉快な朝」冬なのに夕方は雨が降って夜は晴れ渡って強い風が吹いた翌朝つるんつるん鏡のようにつるんつるん人も車もつるんつるん愉快な朝(opus040).

「山」山は逃げないいつもそこにいるどんなに高い山であったとしても一歩一歩足を前に出せばいつしか頂上を踏みしめている心に悩みを抱えたときぼくは一人山に向かうどんな悩みであったとしても樹林の緑や野鳥のさえずりに包まれて大きな山容の前にはとても…

平安

「平安」愛が憎しみに変わらないうちに心を洗い落ち着かせよう感情は相手に当たると反射して自分に戻ってくる人を愛し幸せを願おう世界の平和を祈ろう心がしんと静まりかえる風のない湖面のように(opus038).

道化

「道化」これまで自分の顔を覆ってきた仮面を脱ぎ棄てると素の自分になる久しぶりの日光を浴びて世間の垢を洗い流したらその素顔は道化師だ人を笑わせ楽しませる喜びはこの世界のエネルギーなのだ(opus037).

出発

「出発」何の準備もしてないまま突然出発の時を迎えたこれまでの整理もしていないままこれからのマニュアルも読めないまま僕はいったい本当は誰で何になろうとしているのかどこに行こうとしているのか仲間は誰でどこにいるのか全く先が見えていないどうなる…

分水嶺

「分水嶺」山の頂上付近の岩場にまで大量の水が噴き上がって岩に当たって砕け飛び散っている水の一部はそこで勢いよく向きを変えとうとうと流れ下っていく水に想いがあるのか分からないけれど分かれた水が再び出会うのは全ての水が海まで達した後それまでそ…

「器」僕の心は小さいからいつもいろんな言葉が溢れてしまう自分の世界を覆い尽くす大きな愛時と空間を超えて結びつくつながり言葉や概念を分かっていても心の中ではやはり分からないどうしたら理解できるのだろうそしてどうしたら行動できるのだろうなぜ世…

不思議な魅力

「不思議な魅力」茶色の羊毛のコートにくるまって物静かに多くを語らない取り澄ました顔で微笑む不思議な魅力の乙女.ランチを食べながら夏はスキューバ冬は乗馬と静かな語り口の中に強い意志が覗くいつの間にか心を引きつける乙女.後ろ髪を束ねて少女のよう…

女神

「女神」毎日いろいろあったけれどまだ貴女に出会えていないいつどこで誰になっているのか僕は気付けるのだろうか優しく輝くその微笑に全ての森羅万象がくすむほどに恋の炎で包み込んでほしいこの世界が僕のためにあることを身をもって感じ取れるほどに美と…