詩集「セカンドムーヴメント」

緋熊熊五郎の詩作ペンネーム、緋熊加微由の詩集

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

山小屋

「山小屋」煙草を吸おうと八合目避難小屋を一歩出ると激しく風が吹き荒び、なけなしの体温を一気に奪い去る午後七時、岩手山、標高1,770m闇の帳が落ち、見えるはずの満天の星も雲に遮られている真夏だというのに寒さで身体が震え歯はガチガチ鳴り、煙草を咥…

「蛙」蛙よ蛙よ、井の中の蛙さん大海を目指して下さいないや既に人生という大海の真っ只中です泳ぎ切った時、貴方は蛙などではなく青龍であったことに気がつくでしょう自身のメタモルフォーゼ能力を卑下しないで下さいね蛙よ蛙よ、いや青龍よ青龍よ大海を泳…

落し物

「落し物」どこに置き忘れてしまったのだろう僕の心落としてしまったのかなぁねぇ、僕の心を見ませんでしたか小さいけれど弾力があっていろんな色を散りばめた彩り鮮やかなんですけど(opus066).写真は、 手持ち素材がなかったので、ネットのフリー素材パクタ…

「山」麓から登山道を歩く真っ直ぐであればきつく、曲がりくねっていれば長い岩石混じりの粘土の上を一歩ずつ踏みしめていく樹林帯を抜けるまで風もなく蒸し暑い吹き出す大粒の汗もだんだん塩気を失っていく展望が開けないまま時間が過ぎいくそして問う何故…