詩集「セカンドムーヴメント」

緋熊熊五郎の詩作ペンネーム、緋熊加微由の詩集

2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

星が震えて落ちる夜

「星が震えて落ちる夜」こんなに風が強く雪が舞う星が震えて落ちる夜には遥か昔、彼方の君を憶い出す細身で「ねぇ」が口癖だった最後に会って別れてから随分経ったけれど君は君らしく生きているか子供が何人もいるのだろうか躾に手を焼きながらもやはり「ね…

魂の片割れ

「魂の片割れ」どこかで出会ったことがある君の魂の片割れとでも彼は男だったどこの誰であったのだろう思い出そうとしても思い出せないこの世界は魂の片割れで溢れているが魂そのものはいったいいくつあるのだろうそして君はどこの魂得意満面の笑みの村の魂…

「春」君なしで生きられないようにと企むことは幼い心僕は一歩離れてやり過ごすでも気持ちは勇気を奮って伝えたから目の前のものから選ぶのではなく一歩踏み込んで掴み取ることを待ち続けている君の心が伸びやかに生き生きと熱くなることを待っているそうす…

言葉

「言葉」言葉は想いの種子だ紙に植えておくと大きく育つそして膨らんでやがて弾け跳んで周囲の空間にその想いを撒き散らす僕の部屋には想いがたくさん転がっているどうか世界が幸せな想いで満たされますように(opus028).

「雪」雪が降る 積る空は霞み 少し先で空間が終わる六角形の結晶は全てを覆い世界を狭く小さくしている夜には気温が下がり全てを凍て尽くし荘厳な近寄り難い神殿を創出するのだろう(opus027).

洋館の娘

「洋館の娘」森の奥の昼なお暗い沼沢の畔りに建つ洋館に佇む娘この世のものとは思えなく美しいけれど顔には何の表情も浮かべていない体から何の感情も現していない燃えたぎるマグマで心の中が溢れているだろうにしんとした風景画のように時が止まっている美…

燠火

「燠火」君に水をかけてもらったのに未だに燻り続ける燠火燃え盛る炎を氷で囲っていたのにあの歌が全ての氷を溶かしてしまった熱さに耐え切れずに消してもらったのに未だに余熱が周囲を包み込んでいる強風にも雪にも耐え、消えずに残る燠火いつになったら消…

祈り

「祈り」三日月と星が美しい夜風がとても強く雪も舞う君は歌うこの地球(ほし)の歌を大地のすべてを凍てつかせながら木々の間をぬって空を見上げ美しい星のささやきにため息をつく君は歌うこの地球(ほし)に生きとし生けるものの讃歌を幸せを祈りながら(opus02…

「 」

「「 」」春の晴れた日君は明るく元気に笑っていた夏の暑い日君は静かに落ち着いていた秋の曇りの日君は不機嫌に怒っていた冬の雪で肌寒い日君はいつの間にかやつれていた中庭の欅の木早くまた春が来るといいね 欅(opus023).

裸の心(ネイキッドハート)

「裸の心(ネイキッドハート)」君は不機嫌なようでいて実は歌い出すと楽しそうとても不思議なファニーボイス心を裸にして流れ出すメロディ顔は恍惚の表情を浮かべて皆を笑いの渦へ誘っていくよ田舎の街のセイレーン(opus022).写真は、 手持ち素材がなかったの…

白うさぎ

「白うさぎ」白うさぎ、白うさぎ、今度はどこに導くの中古ギターを売っているお店美味しいタイ料理のお店面白いジャズライブイベント…ぴょんぴょん飛び跳ねて、あっちへこっちへと走っていく何の関係もないようで、実はどこか何かにつながっている世の中、意…

武具

「武具」ずっと背中に背負ってきた重くて長い槍をおろすときずっと身に付けてきた重くて厚い鎧を外すとき足取りは軽くなるのであろうか僕の心は晴れるのだろうかこれまで武具は僕の一部であった僕は僕でいられるのであろうかきっと新しい僕になればよいので…

旅立ち

「旅立ち」君はもう旅立つんだねどこか僕の知らない遠い所へいつの間にかそんな準備を君がしていたなんて全く気づかなかった僕が遊び呆けている間に君は歯を食いしばって頑張っていたんだね気づいてあげられなくて手伝ってあげられなくてほんとにゴメンね君…

ワクワク

「ワクワク」明日は誰の上にもやってくるが僕のためにもやってくるワクワク ワクワク明日は良いことしか起きないと知っているからどんな良いことなのかとても楽しみワクワク ワクワク手持ちの才能を伸ばせるかそれとも新しい才能を見つけるのかワクワク ワク…

解凍

「解凍」春でもないのにまだ冬なのに心の氷が溶けた全て溶け落ちたきれいな切ない音の旋律が氷の中に沁み込んだのだ溶け切った中から現れたのは素の私 何にも覆われていない裸の自分鎧を脱ぎ捨てて軽くなった心これからの道中は軽やかに飛び跳ねるように歩い…

さなぎ

「さなぎ」少し前までは青葉を食べこちらを見上げてツノを出していた青虫いつの間にか気がつかないうちに金色のさなぎとなってひっそりと息づき闇の中で変身の時をじっと待っているふ化すればまばゆいチョウとなって花の蜜を求めてきっと大人の恋をするのだ…

創造力

「創造力」思念は光を超える百光年でも一瞬にビッグバンの最果ての今まさに拡張しつつある宇宙の端にも立っていることを想像できる創造力の前線はこの宇宙にあまねく存在し全ての物を形作り死角というものがないだから創造力を使ってこの宇宙に平和や長寿や…

時の浜辺

「時の浜辺」時の波が押し寄せては砕け散り雫が飛び散る磯の浜辺に神またはそれは漂っていたこの世界をビックバンによって創造しその流末の最末端がここ、時の浜辺だ時の雫にはさまざまな感情が含まれているがそれを感じ味わうことによって神またはそれは世…

一期一会

「一期一会」新宿の路上で志集を売っていたあの娘今どうしているのだろう 元気かなぁ坂道でクラクションを鳴らして声をかけてくれたあの娘照れている姿がとてもキュートだったなぁ鳥海湖のほとりで道を譲ってくれたあの娘にっこり満面の微笑みがとても可愛か…

ふたご座流星群

「ふたご座流星群」澄み切った真冬の空雲ひとつなくて星々が激しく瞬く長い尾を引いては消える流れ星どんなに強く光っても地上には届かない透明な僕の心曇りひとつなくて気持ちが激しく揺れる爆発しては溶けていく感情どんなに強く想っても君の心には届かな…

セカンドムーヴメント

「セカンドムーブメント」心打つ清冽な自然の風景乱れ悶える感情の波神またはそれに想いを寄せれば彼方宇宙の奇跡を夢想するセカンドムーヴメント全身を焼き尽くすほどの高揚感久しぶりに高鳴る創造力の炎セカンドムーヴメント全ての被造物とのつながりを感…

拒絶された心

「拒絶されたこころ」君は何故、そうなんでも隠すの、秘密にするの君の心の中は迷宮、閉ざされた森の奥の湖沼木々の枝から滴った露が静かな湖面に波紋をさざ波のように広げて伝わっていくしんとした何の物音もしない世界湖沼の畔の洋館にただひとり立ちつく…

積雪

「積雪」一晩のうちに雪が10センチ積もった木々の枝の上に積もり頂から麓まで真っ白になった山が凛とした姿で屹立している普段は裸の銅像も純白の衣装をまとった降りしきる雪は大気中の塵を落とし空気は澄み渡ったシンシンと耳鳴りがする冬とはこういうもの…

変化

「変化」あなたはあなたのままで変わらずにあなたの生き方を忘れないでほしいという昔の歌があったけれど変わらなければ生きている意味がない日々の出来事によって、日々新しい自分になる全てが仕組みであり、偶然なんて何もない毎日、自分に起きる変化にわ…

旅立ちの前に

「旅立ちの前に」ロマンスグレーにはならなかったけれどいつしか白髪混じりになって寄せては返す波のように平凡な日々の暮らしが退屈になって大冒険がしたくなったこれから何かとてもよいことが次々に起きるという期待感その出来事によって今の自分がさらに…

彼またはそれ

「彼またはそれ」分かった、彼またはそれは皆に幸せになって欲しかったんだ思念で世界を創造したのちいろんな些細なことがあったけれど結局、彼またはそれを満たしたものは祈り、幸せ、感謝の気持ち幸せの波長を発信することでいつでも彼またはそれとつなが…

感謝

「感謝」この世界が存在することに感謝太陽、月、星、そして地球があることに感謝たくさんの人々が生きていることに感謝今日良いこと楽しいことばかりであったことに感謝ギターを弾いたり歌ったりできたことに感謝僕が健康で生きていることに感謝君がこの世…

微笑の君

「微笑の君」君の幸せを願うからいつも微笑んでいる君を想像するよ朝起きるときも家を出るときも会社で働いているときも買い物をしているときも食事しているときも寝ているときもいつも微笑んでいる君を創造するよ君を幸せにしたいからそしていつの日か君の…

「道」この真っ直ぐ続く一本道は君へと続く道ほんの些細な行き違いから心が通わなくなったけれどいつか君の心へと続く道だと信じてるいつか君がこの道を振り返ったら佇む僕を見つけて欲しい明るく大きく手を振るから(opus003). 写真は2018/6/24撮影、安達太…