詩集「セカンドムーヴメント」

緋熊熊五郎の詩作ペンネーム、緋熊加微由の詩集

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

人魚の涙

「人魚の涙」あの日、君の目に浮かんだのは人魚の涙、もうあと戻りはできないどうして僕はもっと自分の心に素直になれなかったのだろうまるで思春期の男の子のようにどうして意地を張ってしまったのだろう君の瞳を見て、君の手を握って君を抱き締めることが…

春風

「春風」春の陽気に誘われて暖かい日差しの中少し汗ばみながら歩く見上げれば信夫山ふくよかな姿を見て想い出すのは君の笑顔風に揺れる黒髪、そして香り世の中は暖かくなったけれど僕の心の中に春風が吹きその暖かさで根雪が溶けるのはいつになるのだろうか…

出会い

「出会い」世の中に偶然なんて何もないと云うでは君に出会ったのも必然?この地球(ほし)には80億もの人間がいて40億の男と40億の女がいてその順列組合せを考えるだけでも途方もなく気が遠くなるというのに巡り合うのは奇跡とも思えるのに予め決まっていたこ…

風になる

「風になる」北国だというのにこの数日暖かくて雪が随分溶けたと思ったら急に寒さが戻ったその日僕らはリフトでスキー場の山の斜面を登った山は上の方だけ頭を雲の中に突っ込み周囲一面霧に包まれホワイトアウトした風と共に細かな雪が降っては舞う僕らは思…

笑顔で明るく

「笑顔で明るく」サイコロを振り飽きた神サマは自らの魂を引き裂いて私達、人類を創出した故に神サマのちっぽけなカケラがどんな人の心の中にも棲みついている神サマは皆の不幸などというものは望んでやしないんだからいつも明るく笑顔で生きるうれしくなっ…

新世界

「新世界」夜明けの曙光とともに新しい地平線に向けて駆け出そうそこにはまだ見たことがない新しい世界が広がっているに違いない珍しい草花や木々面白い山川や風景そして愉快な仲間たち道のりは平坦ではないけれど力の限り前へ進もう陸が尽きて海岸に達した…

雪解け

「雪解け」心の真ん中にあった氷が大きな音を立てて砕け溶け落ちては大きな水流となって迸る全ての汚れを洗い流しながら残されたのは純白の光に満たされた純粋無垢の心(opus047).

不機嫌なヴィーナス

「不機嫌なヴィーナス」空気が凛として張り詰めた夜白銀に輝く月の光を浴びながら青白く佇む美の女神顔は無表情でいてどこかしら冷たい微笑を造っているように見える激しい感情を心の裡に隠すのは何故明るく朗らかだった貴女をそんなにも不機嫌にしたのは誰…