詩集「セカンドムーヴメント」

緋熊熊五郎の詩作ペンネーム、緋熊加微由の詩集

幻想に揺蕩う眠り姫

「幻想に揺蕩う眠り姫」時の流れを遡って流れ着いた眠り姫ふわり柔らかな髪が揺れ豊かな胸が静かに上下しているけど肩を揺さぶってもその瞼は開かない時折、にやりと笑っては何やら異言を呟いているどんな夢か幻想か分かる術がないけれど仲間に入れて欲しい…

空と海

「空と海」あの夏の日の澄み切った群青の空に強い日差しを浴びた深い海が染まるどこまでも高く、どこまでも深く爽やかな君の心のように僕を優しく包み込む君の心を自由にあの鳥のように飛べたなら僕はもう何も要らない (opus117)

恋空

恋空(改稿中)

夕暮れ

「夕暮れ」菫色に暮れゆく下町犬の遠哭きが響いていく寒さがジンと染みて息も白くなる隣にあったはずの君の温もりがとても懐かしくなる (opus115)

粉雪(六肢版)

「粉雪(六肢版)」自重に耐えられず俺は雲から滑り堕ちる大勢の野郎たちとよー六枚の羽根を拡げ風に捕まり流されてく満月を漬けた海を越え星が打ち当たった山も越えてずーっとさらーっと舞うやっと見っけた君の赤い頬っぺに必死にしがみついたら君の心に俺は…

一歩

「一歩」さあ勇気を出して前へ一歩踏み出そう新しい世界を征服しよう緑なす草原軽やかな音を立てるせせらぎ聳え立つ巨木屹立する峰々青空を流れる絹雲嘘、嘘ほんとは勇気なんて全然いらないただ一歩ずつ足を前に出すだけそれだけでいいんだ(opus113)

「鍋」とても寒くなってきたから今日はお鍋、言の葉を煮る初め強火、煮立ったら中火浮き上がるアクを取り除いてぐつぐつことこと無駄な脂も取り除いてぐつぐつことこと言の葉に味付けが染み込んだら皿に盛り付けてさぁ召し上がれ(opus112)

粉雪

「粉雪」自らの重さに耐えかねて僕は雲から飛び降りるたくさんの仲間たちとともに六本の羽根を拡げて風を捕まえては流れていく満月を浮かべた海を越え星が降る山をも越えてどこまでもさらさらと舞うやっと見つけた君の赤い頬に必死にしがみつくと君の心に僕…

なぜ

「なぜ」君は僕にどこが好きかと言うけれど僕は絶対教えないよなぜならまた魔法をかけられてしまうから透明な檻に閉じ込められてしまうからそうなると身体が火照って熱くなり四六時中君のことしか考えられなくなるんだだから気のない振りをしたり時々わざと…

アクアマリン

「アクアマリン」あの海の水のように君は無色透明で笑顔がとても爽やかだけどあの海の水のように遠くから見ると濃い青い色なんだ深く澄んだ感情を心の底に湛えて辛いこと悲しいことがあれば僕の心を優しく包んでくれるんだ僕は君の揺り籠の中で溶けそして心…

「雪」今宵、あなたの心に一滴の涙をどうして素直になれなかったのだろうあの時、意地を張ってしまったのだろう駆け引き、それとも意地悪重ねれば重ねるほど距離ができてそれでも必ず理解してもらえると頑なに信じ切っていたそんな夢のようなことがあるわけ…

出会い

「出会い」あの人に出会ったのはあなたが素敵になるためそしてあなたから離れていくのは新しい人と出会ってあなたがさらに素敵になるためだから悲しまないで笑顔を見せてね(opus107).#仄かに色付く言の葉 「笑顔の裏側」

残り香

「残り香」陽が落ちて寒さに凍える肌が思い出すのはあなたの温もり忘れていったマフラーの残り香に耐え忍んで夜明けを待つ(opus106).#優しい言の葉 「残り香」

人生

「人生」君の人生はどんな人生だったの勉強をして試験を受けて部活をして趣味のこともしてそして切ない恋もしたよね時には心が涙で曇ったけれど雨が止んで虹がかかることもあったよね二人で何も言わずに夜空を見上げて流れ星をずっと探したこともあったよね…

朧月(その2)

「朧月(その2)」あの日、君は偽りの言葉で僕の心を傷つけた鼓膜は聞きたくないと悲鳴をあげた朧月の夜、触れた指先に温もりを感じた日はどこに消えたのか交わした愛の囁きは幻だったのか今も心に残る小さな傷痕朧月を見上げる度に疼くんだ(opus104).#優しい…

103 歌「歌」君の歌に声を失った切なさ、悲しみ行き場を失った感情が僕の心を直撃する触れた指先伝わらない言葉の数々ただ涙だけが僕の心を語る(opus103).#仄かに色付く言の葉 「伝わらない言葉の数々」「触れた指先」

102 滝「滝」時の流れる音が闇に響く滝を落ちる奔流のように音の飛沫を撒き散らしながら時が空間を下っていく何故そんなに急ぐ流れが激しければ溺れる者も多い岸には骸が累々と積み上がるだろうこの先に何が待ち構えているのかシンギュラリティによって時は…

朧月

101 朧月「朧月」とても些細なことで心がすれ違ってお互いに素直になれなくて意地を張り続けてしまった君の言葉を聞けなくなって早半年僕の心に残る消せない想いこんなに愛しく切ないのなら何故もっと優しくできなかったのだろう頬を伝う涙は朧月だけが知っ…

「鎖」心の鎖を断ち切って花を愛でて詩を詠み空を見上げて話を書き風の音に歌を唱う今の僕は自由だやっと人になれたんだよ(opus100).#詩人の本懐 「自由」

秋桜

099 秋桜「秋桜」風に揺れる秋桜の花ベタだけどそんなイメージの人でした清潔すぎて近寄れないもちろん摘み取ることなんてできないそれなのに心を乱すのです揺れるたびに茎が折れそうで目が離せなくなるのです(opus099).#優しい言の葉 「乱」

隙間

「隙間」心に隙間ができたなら大きく息を吸って膨らませよう一人でできないほど疲れ切ったら遠慮しないで仲間に声を上げようみんな息を吹き込むのを喜んで手伝ってくれるはずさ心の隙間が消失したら高らかに心の詩を歌おうみんなあなたの笑顔を待っているか…

変化

097 変化「変化」万物は流転する季節は移ろい春の新緑、夏の繁茂秋の紅葉、冬の落葉一つとして留まることを知らない私も変化する力を蓄え、壁を壊し身体を鍛え、山を越える考え方さえも変わっていくそして悲しいのは君の心変わり幾度となく泣き濡れた夜ただ…

誇り

「誇り」日々言葉を紡いでは時の流れの中で歌う優しい言の葉、甘い言の葉、仄かな言の葉、そして時には心を撃ち抜き涙するものもあるけれど様々な感性が寄り集まり多様性を形作るいつもありがとうあなたたちは私の誇り(opus096).#優しい言の葉 「誇」#詩人の…

「秋」秋、日本中が色付く頃赤、橙、黄緑、黄と彩り鮮やかに木々が葉を風に散らしていく君は衿元を両手で合わせて優しく微笑んでいる僕は君の心が何色に染まったのか知りたくてそんな君から目を離せないでいる(opus095).#優しい言の葉 「彩」#緋熊熊五郎の心

「毒」僕らはその毒なしに数十分と生きられない何故その方法を選んだのかエネルギー効率が上がったのか時にはそれによって身体までも傷つけられる危険な賭けなのか今日もその毒を吸っては二酸化炭素を吐いている(opus094).#優しい言の葉 「毒」

花園

「花園」?月光に晒されたその裸身は?青白く光り輝きそして仄かに揺れているうつつか幻か切なげに洩れるその声は一緒に行こうと誘っている折しもオリオン座から星が降っている揺らぎの中に垣間見える虹色の秘密の花園川には幾艘もの渡し舟がゆっくり滑るよう…

青空

「青空」青空はどこまでも青くずっとずーっと繋がっている君の見上げる空と同じ僕も見上げて君の幸せを願うよ世界の果てには虹色に輝く空があるかな赤、橙、黄緑、緑、青、紺、紫壁中に窓を散りばめて硝子の向こうにそんな景色を探したい今は別れ別れになっ…

溜息

「溜息」日が沈み夜の帳が下りる頃雲間から月が周囲を照らす夜のしじまに溶ける音色心を穏やかに解き放って今日の息災を振り返り明日の平安を瞬く星に願うそして君の心と溶けあうのは嗚呼いつになるのだろうか溜息が次から次に心から溢れていつの間にか空間…

捨てて

毎日毎日お疲れさま心も擦り減っているかもしれないけれどここにおいで、ぬるま湯で温めてあげよう心が元の嵩まで戻ったら暖かい空気をいっぱい吹き込んであげよう心がふわふわと浮かぶようになったら思い切って悲しみは捨ててふたりで歓びを抱きしめあおう(…

ひとつ

「ひとつ」地球はひとつ、でももうひとつ欲しい汚れたり壊れたりしたら、取り替えて欲しい地球をもうひとつくださいな太陽の反対側に置いてくださいなでも行ってみたら、自分ももうひとりいたら怖いなそれでも十羽一絡げで、地球一山いくらで売っていないか…