2018-01-16 光球 「光球」その白い天使は翼を大きく拡げて夜の空を羽ばたき闇に包まれた都市を見下ろしていた生きとし生けるものが何千年もかけて積み重ねた汗や垢、涙などをすべて呑み込んだ静まり返った暗黒の都市を今は動くものとて何一つなく廃墟と化した瓦礫の山そのところどころに尖塔が林立している漆黒の闇の底から突如として出現し浮かんでは真上の空へ飛び去っていく目映いばかりの光球それを捕まえようと目を凝らしているここは魂の苗床捕えられた光球は天使の卵となりこぼれた光球は下界へと落ちやがて人間として生を受ける(opus41).