詩集「セカンドムーヴメント」

緋熊熊五郎の詩作ペンネーム、緋熊加微由の詩集

波紋


「波紋」

青い空と白い雲の下で湖畔に立つ緑の大樹

水面は鏡のように影を映し出す

ふっーと風がそよぎ葉から露がしたたり落ち

波紋がひとつまたひとつと音もなく

拡がり重なってやがてもとの鏡に還る

すべての物音が吸収された静寂の世界の中で

肉体に捉われた私の感覚が研ぎ澄まされる

今までざわめいていた心も静まり鏡になる

(opus056)

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