詩集「セカンドムーヴメント」

緋熊熊五郎の詩作ペンネーム、緋熊加微由の詩集


「山」

山は逃げないいつもそこにいる

どんなに高い山であったとしても

一歩一歩足を前に出せば

いつしか頂上を踏みしめている

心に悩みを抱えたとき

ぼくは一人山に向かう

どんな悩みであったとしても

樹林の緑や野鳥のさえずりに包まれて

大きな山容の前には

とても小さなことだと悟らせられる

そしていつの間にか心の傷が癒され

ふさがっていることに気付く

山は逃げないいつも受け止めてくれる

抱擁してお帰りと言ってくれる

(opus039)

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