詩集「セカンドムーヴメント」

緋熊熊五郎の詩作ペンネーム、緋熊加微由の詩集

分水嶺


分水嶺

山の頂上付近の岩場にまで

大量の水が噴き上がって

岩に当たって砕け飛び散っている

水の一部はそこで勢いよく向きを変え

とうとうと流れ下っていく

水に想いがあるのか分からないけれど

分かれた水が再び出会うのは

全ての水が海まで達した後

それまでそれぞれ違った川を流れ

異なる経験をしながら

色を水質を変え性格も変えながら

海へと下っていく

同質だったはずの水が様々な水になり

また海で一つになり混り合う

(opus035)

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