歌
103 歌
「歌」
君の歌に声を失った
切なさ、悲しみ
行き場を失った感情が
僕の心を直撃する
触れた指先
伝わらない言葉の数々
ただ涙だけが僕の心を語る
(opus103)
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#仄かに色付く言の葉
「伝わらない言葉の数々」「触れた指先」
朧月
101 朧月
「朧月」
とても些細なことで心がすれ違って
お互いに素直になれなくて
意地を張り続けてしまった
君の言葉を聞けなくなって早半年
僕の心に残る消せない想い
こんなに愛しく切ないのなら
何故もっと優しくできなかったのだろう
頬を伝う涙は朧月だけが知っている
(opus101)
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#優しい言の葉 「消」「違」「聞」
鎖
「鎖」
心の鎖を断ち切って
花を愛でて詩を詠み
空を見上げて話を書き
風の音に歌を唱う
今の僕は自由だ
やっと人になれたんだよ
(opus100)
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#詩人の本懐 「自由」
隙間
「隙間」
心に隙間ができたなら
大きく息を吸って膨らませよう
一人でできないほど疲れ切ったら
遠慮しないで仲間に声を上げよう
みんな息を吹き込むのを
喜んで手伝ってくれるはずさ
心の隙間が消失したら
高らかに心の詩を歌おう
みんなあなたの笑顔を待っているから
(opus098)
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#優しい言の葉 「顔」
#仄かに色付く言の葉 「心の隙間を埋める方法」
#詩人の本懐 「消失」
変化
097 変化
「変化」
万物は流転する
季節は移ろい
春の新緑、夏の繁茂
秋の紅葉、冬の落葉
一つとして留まることを知らない
私も変化する
力を蓄え、壁を壊し
身体を鍛え、山を越える
考え方さえも変わっていく
そして悲しいのは君の心変わり
幾度となく泣き濡れた夜
ただ変わらないのは歌う心
(opus097)
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#優しい言の葉 「変」
#仄かに色付く言の葉 「泣き濡れた夜」
誇り
「誇り」
日々言葉を紡いでは
時の流れの中で歌う
優しい言の葉、甘い言の葉、
仄かな言の葉、そして
時には心を撃ち抜き
涙するものもあるけれど
様々な感性が寄り集まり
多様性を形作る
いつもありがとう
あなたたちは私の誇り
(opus096)
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#優しい言の葉 「誇」
#詩人の本懐 「感性」
青空
「青空」
青空はどこまでも青く
ずっとずーっと繋がっている
君の見上げる空と同じ
僕も見上げて君の幸せを願うよ
世界の果てには虹色に輝く空があるかな
赤、橙、黄緑、緑、青、紺、紫
壁中に窓を散りばめて
硝子の向こうにそんな景色を探したい
今は別れ別れになっている君と
いつか一緒に行ってみたいな
(opus092)
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#優しい言の葉 「別」
溜息
「溜息」
日が沈み夜の帳が下りる頃
雲間から月が周囲を照らす
夜のしじまに溶ける音色
心を穏やかに解き放って
今日の息災を振り返り
明日の平安を瞬く星に願う
そして君の心と溶けあうのは
嗚呼いつになるのだろうか
溜息が次から次に心から溢れて
いつの間にか空間を浸す
やがて次の朝日が昇って
全ての溜息を溶かすだろう
(opus091)
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#優しい言の葉 「溶」
捨てて
毎日毎日お疲れさま
心も擦り減っているかもしれないけれど
ここにおいで、ぬるま湯で温めてあげよう
心が元の嵩まで戻ったら
暖かい空気をいっぱい吹き込んであげよう
心がふわふわと浮かぶようになったら
思い切って悲しみは捨てて
ふたりで歓びを抱きしめあおう
(opus090)
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#優しい言の葉 「捨」
ひとつ
「ひとつ」
地球はひとつ、でももうひとつ欲しい
汚れたり壊れたりしたら、取り替えて欲しい
地球をもうひとつくださいな
太陽の反対側に置いてくださいな
でも行ってみたら、自分ももうひとりいたら怖いな
それでも十羽一絡げで、地球一山いくらで売っていないかな
(opus089)
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#優しい言の葉 「ひとつ」